昭和の高度経済成長期と現代を結ぶ、70年にわたる愛と青春と友情、そして家族の壮大な物語!
本作は、1955年からの石炭産業で躍進した長崎県・端島と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、そして家族の壮大な物語だ。
戦後復興期から高度経済成長期の“何もないけれど夢があり活力に満ちあふれた時代”にあった家族の絆や人間模様、青春と愛の物語を紡いでいく。同時に、現代の“一見して何でもあるけれど若者が夢を持てない時代”を描き、過去から現代に通じる希望を見つけだす、時代を超えたヒューマンラブエンターテインメントである。
「アンナチュラル」や「MIU404」と同じチームの作品だけど趣が随分違った。
違ったけれど、とても好きだ。
以下ネタバレが含まれます(押すと開く)
わたしは着物が好きで、普段着として楽しんでいる。
その着物が好きな理由の一つに「時を感じる」というのがある。
着物を構成している糸、染め方、織り方、柄や伝統文様の成り立ち。
かつては誰もが着ていたけれど、いまでは着られる事のほうが少ないという現状やそれに抗う業界の人々。
そういった歴史を感じさせるのももちろんそう。
それに加えて「祖母から譲ってもらって孫が着て楽しんでいる」という風に受け継がれる衣服という点も好きだ。
当時はどんな着こなしをしていたのか?お祖母様はこれを着て何を見て誰と楽しんだのか?
そういった想像も掻き立てられる。
時を感じるというのは、過去があったというその存在を感じるということかもしれない。
その時代その時にひとびとが確かにいて、そういった人たちの営みの積みかさねが今この瞬間に続いている。
いまこの瞬間に自分がいること。目の前で話している相手が存在していること。
それがこの時代この場所で出会えたこと。
そういった流れ・繋がりを感じるものに弱いのです。
◇ ◇ ◇
この「海に眠るダイヤモンド」を最後までみて好きだなって思ったのはそういうところだと思う。
物語の中、端島時代のシーンで私が見たあの人もこの人も、ほとんどの人がもうこの世にはいないだろう。
色んな幸せな出来事や不幸せな出来事があったかもしれないし、何が正解だったのかはわからないけれど、それでもそれがあったから今がある。
いまその人が存在している。
自分の今はこの先どこに繋がっていくのかなとか、そういうことにも思いが巡ります。
◇ ◇ ◇
最終回の玲央のこのセリフが好き。
こういう風に思えたなら誰にでも優しくなれる気がする。
こういう風に思えたなら誰にでも優しくなれる気がする。
「知らない土地にいったらさ、考えるんだよ。もしかしたらここにも鉄平が来てたのかもしれないって。そしたら誰も他人に思えなくてさ。
もしかしたら、鉄平が声をかけた人かもしれないし、その子どもかもしれないし、孫かもしれないって。」